【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


 昨日のことを思い出すと、また泣きそうになる。

「……桃子?」

 いつの間にか目を覚ましていた千歳は、私の顔を見て悲しそうな表情を見せている。

「……ごめん、起こしちゃったね」

 私はそっと立ち上がると、千歳からすぐに離れた。

「桃子……」

 千歳は少しだけ掠れた声で、私を呼んだ。

「昨日は……ごめん」

 そんな悲しそうな顔されたら、私だって辛くなる。

「……別に」

 千歳の思いとは裏腹に、私は素っ気ない態度をとってしまう。 そんなつもりないのに、私の感情と行動が比例しないんだ。
 でもどうしたらいいのか、分からない。

「なあ……桃子」

「……なに?」

「俺のこと……嫌いになったか?」
   
 嫌いになったかって……なに? 嫌いになれるものなら、私だって嫌いになりたいよ。
 それが出来たら私だって苦労しない。

「……なれる訳ないでしょ」

 嫌いになんて、なれる訳がない。こんなことで嫌いになるくらいなら、私は千歳のことを好きになったりしない。
 私は千歳を、そんな中途半端な気持ちで好きになったんじゃない。

 千歳は私を本気で愛してくれると、そう思ったから私は千歳と結婚した。それは覚悟したからだ。
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