【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


「間違いないみたいだな」

 お昼時のお蕎麦屋さんは少し混雑していたけど、十分ほどで店内に呼ばれた。

「美味しそうなお蕎麦だね」

「そうだな」

 ここは注文を受けてから茹でる蕎麦が絶品みたいで、口コミも結構高い。

「千歳、何にする?」

「そうだなあ。山かけ蕎麦にしようかな」

「いいね。 私はね……たぬき蕎麦にする」

 メニューを決めて注文をし、蕎麦が来るまでスマホを見ていた。

「お待たせしました、たぬき蕎麦です」

「ありがとうございます」
  
 目の前に現れたたぬき蕎麦が、本当に美味しそうだった。お出汁の香りが鼻にふわっと香って食欲をそそられる。

「ああ、美味しそう……」

 私の空腹レベルがマックスに達してしまった。早く食べたい。

「いただきます」

 お蕎麦のつゆを一口飲むと、お出汁のいい香りが広がって幸せな気持ちになる。

「ん、美味しい」

「美味いか?」

「うん、なんか優しい味がする」

 これは鰹節の香りなのかな? すごくいい香りで、お蕎麦の香りを引き立てる気がする。

「ほんとだ。美味いな」

「ね、お蕎麦も美味しいよ。蕎麦の香りすごい」

 こんなに美味しいお蕎麦、初めて食べたかも。
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