【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


「千歳も父親らしくなってきたね。なんか、表情変わったよね」

 そう話す桃子の顔は、嬉しそうだった。

「そうか?」

「そうだよ。パパだね、やっぱり」
 
 家族になるってことがこんなにも待ち遠しいだなんて、俺は今まで考えたこともなかったけど、嬉しいことだ。
 早く産まれて来てほしい。そう思うことが増えた。

「この子、結構動いてるね」

「ほんとか?」

「うん、ポコポコ蹴ってるよ」

 どうやら俺たちの子供は、とにかく元気なようだ。ポコポコ蹴ってるらしい。

「でもそのくらい、元気ってことだよな?」

「そういうこと。いいことだよ」

 二人の結婚生活の中にやってきた愛の結晶。そは俺たちにとって、とても大きな存在になるだろう。
 まだ見ぬ家族に会える日を夢見て、俺たちは日々楽しみに待っている。

「産まれてきたら、もっと元気なんだろうな」

「確かに。すごく元気かもね」

 妊娠が分かってからの日々は、きっと桃子にとっては大変だったに違いない。毎日つわりに悩まされ、吐き気と戦う日々。
 桃子が寝れない日だってあった。思えば、桃子はつわりの時はひたすらキウイフルーツばかりを食べていた。
 時には梅干しやレモンも食べていたけど。
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