【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


 なぜか俺が豆腐を買ってくると、豆腐はいらないと突き返されたが、結局豆腐も食べていた姿を俺は目撃した。
 木綿よりも絹豆腐がいいみたいで、次買ってくるなら絹豆腐にしてと言われたのが、今や懐かしいとさえ感じる。

「子供の名前、なんて付ける?」

「名前ねぇ……。悩むのがそれなんだよね」
 
 産まれてくる子供の名前を決めるのは悩む。子供の名前って、色々あるからどういうのがいいのか悩む。

「子供は男の子だよな?」

「そうだよ。男の子だよ」

 男の子なら尚更、どんな名前にするかで将来が決まりそうな気がしてならない。

「男の子に人気の名前は、こういうのみたいだけど」

 桃子はスマホの画面を俺に見せてくる。

「そうなのか。色々あるんだな」

「ねぇ、悩んじゃうよね」
 
 産まれるのを楽しみにしているのはきっと、桃子だろう。
 もうすぐ産まれるというのを誰よりも実感しているのは、桃子だと思うから。

「あ、また蹴ってるよ」

「どれ?」

 ポコポコ蹴ってるというお腹に耳を傾けると、元気よく蹴ってるのがよく分かる。

「ほんとだ」

「ほんと元気だよね。千歳より元気かもね」

「そうかもしれないな」
 
 もうすぐ、産まれる。
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