【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
二人でデートだなんて、考えたこともなかった。なんか、不思議な気分。
「ここだな。ジュエリーショップ」
「これだね」
結婚指輪か……。結婚指輪は、夫婦の証。
まだ結婚した訳じゃないけど、結婚するっていう実感もない。
「いらっしゃいませ。 何かお探しですか?」
「……えっと」
お探しですかと言われれば、そうなのだけど。
「実は、結婚指輪を探しに来ました」
と、千歳は店員さんに向かって言う。
「まあ!ご結婚されるのですか! それはおめでとうございます」
「ありがとうございます」
「どのような指輪をお探しですか?」
隣で千歳は、店員さんと淡々と話を進めていく。
「こちらは、当店で人気の結婚指輪でございます」
店員さんは、人気だという指輪を見せてくれる。
「ありがとうございます」
「……可愛い」
シンプルなデザインの中にも、小さなダイヤが付いていて、とても可愛い。
「シンプルでいいですね」
「シンプルなので、職場とかでも付けやすいと思いますよ」
店員さんは千歳と話をしながら、似合いそうなものを選んでくれる。
「派手すぎないですし、妻にも使いやすそうですね」
「そうですよね」