【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
なんか、淡々と話が進んでいくような……。
「桃子、どれがいい?」
「え?」
「指輪、好きなの選んで」
私は「うん」と返事をしながら、ショーケースの中を覗いていく。
「これも可愛いね」
「桃子なら、どれも似合いそうだけどな」
「そうかな?」
千歳は「そうだよ」と言いながら、私に「これなんか似合いそうだけどな」と、ピンクゴールドの結婚指輪を勧めてくれる。
「ピンクゴールド……」
「可愛いな。桃子っぽい」
「私っぽい、かな?」
私っぽいっていうのが何なのか分からないけど、選んでくれるのは嬉しい気がする。
「千歳には……これが似合いそうだね」
「これ?」
「うん、なんか……千歳っぽい」
そんなことを言う私に、千歳は「俺っぽいってなんだよ」とおかしそうに笑う。
「これダイヤ付いてるの、可愛いね」
「本当だな」
色々と種類があって迷うけど、二人で真剣に悩んで、結婚指輪を決めた。
「ありがとうございました」
お互いの名前を刻印するため、指輪の仕上がりは一週間後とのことだった。
「千歳、ありがとう。……結婚指輪」
「俺が買ってやるって言ったんだから、気にするな」
「ありがとう」