【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


 千歳からの初めてのプレゼントは、結婚指輪だった。
 千歳から何かをもらうなんて、想像したこともなかったけど、プレゼントってやっぱり嬉しいものだなって思った。

 まだ結婚してないのに、指輪買っちゃうなんて、千歳らしいけどね。

「他は何を買うんだっけ?」
 
「ベッドシーツと枕カバー」

「そうだったな」

 千歳はずっと私の手を握っていて、なんだか本当に夫婦みたいだなって思った。

「ヤトリこの中にあるんだって」  

「へぇ。そうなのか」

「うん、ヤトリって結構可愛いのあるんだ」

 なんだかんだと、私たちはデートを楽しむことが出来た。



✱ ✱ ✱


「千歳、今日はありがとう。 ちょっと、楽しかった」

「ちょっとかよ。 まあ、俺は結構楽しかったけけど」 

「……指輪、楽しみだね」

 結婚指輪の出来上がりも楽しみだし、美味しいものも食べられたから、今日は結構満足した。

「楽しみだな」

「ねぇ、千歳……」

 私は帰ろうとする千歳の服の袖を、ギュッと掴む。

「あの、千歳……。ちょっとだけ、抱きしめて」

「まさかお前からそんな言葉が聞けるなんて。……分かった」

 千歳は、私をそっと抱きしめてくれた。
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