【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
「じゃあ俺たち、そろそろ帰るな」
「ええ、またいつでも遊びに来てね?桃子さん」
「はい。ありがとうございます」
千歳の両親に挨拶し、私たちは千歳の家を出る。
「今日は悪かったな、桃子」
「え?」
「親父、みっともなかっただろ?」
千歳は焦ったような表情を見せる。
「そんなことないよ。 優しいお父さんだったよ」
私のことを家族だと言ってくれた千歳の両親には、本当に感謝してる。
「そうか。ならいいけど」
「お父さんもお母さんも、千歳のこと大好きなんだね」
見てれば分かるよ、そんなこと。
「まあ……家族だからな」
「家族……」
私たちもいつか、家族になれる日が来るのかな? そうなったらいいなぁ……なんて、らしくないことを思ってる私。
千歳のことどう思ってるのかと聞かれたら、答えはもう決まってはいるけど……。
「俺たちもいつか、家族になれるといいな」
私の考えを見抜いたかのように、千歳は話し出す。
「……え?」
「俺と桃子、二人でもいいけど、やっぱり家族は増やしたいよな。 明るい笑顔の耐えない家庭にしたいよ、俺は」
千歳が真面目にそんなこと言うから、私は恥ずかしくなる。