【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


「……ここでキスしないでしょ、普通」

 そう言った私に、千歳は「誰も見てねぇし、いいだろ別に」と言ってくる。

「そういう問題じゃないから」

「ツンツンするなよ。可愛い顔が台無しだぞ」

「う、うるさいから」
 
 私のことからかってるんじゃないかと思ってるけど、実際にはどうなのか分からない。
 それを愛情の裏返しだと言う人もいるし、千歳は時々何考えてるか分からない。

「さ、家まで送る。帰ろうぜ」

「うん、ありがとう」

 千歳に繋がられる手から感じる温もりが、妙に心地よくて、私はなんだかドキドキした。

「千歳の手……温かいね」

「そうか?」

「うん。……優しい温もりがする」

 優しい温もりと言った私に、千歳は「なんだそれ」と笑っていたけど、私にとっては千歳は……もう特別な存在だった。
 そのくらい私は、千歳に惹かれているのかもしれない。 いつの間にか、好きだと思える存在になっていた。

「千歳、アパートどうする?」

「アパート?」

「結婚した後のアパートだよ」

 今住んでるアパートを引き払って新しいアパートに住むのか、今のアパートに住むのか、それすらもまだ決まっていないというのが現状だ。
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