【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
「素直になれよ、桃子」
「うるさいよ、千歳」
こうやって千歳と一緒にいると、なんか不思議な気分になれる。
「悪い、俺もう行かねぇと」
「そっか。……頑張ってね」
千歳の背中を見送ると、千歳は嬉しそうに立ち去っていく。
「今日も一人か……」
今まではそうだったのに、結婚して二人になってからは二人で美味しいご飯を食べるようになった。
一人でも良かったけど、二人なら尚更いいなと思えた。 こういうのって……なんか素敵だなって思えたから。
「……よし、定時まで頑張ろう」
千歳がいないからって、寂しくなんてない。千歳は帰ってくるし、顔も見れる。
「私って……いつからこんなに、千歳のこと好きになってたんだろ」
いつからなのか分からない。だけどいつの間にか、こんなに千歳のことを好きになっていた。
「私って……」
私ってほんとは……ずっと前から千歳のことが好きだったのかな。 それにずっと、気付いていなかっただけなのかもしれない。
素直になれなかった私は、この気持ちを気付けずにいたんだな。
「大好きな人……」
結婚して夫婦になった今だからこそ、その気持ちがよく分かるようになった。