【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜
「美味しいご飯、作って待ってよう」
千歳に喜んでもらいたいし、千歳の笑顔が見たい。
千歳が少しでも笑顔になってくれたら、それが一番嬉しいから。
✱ ✱ ✱
「ただいま」
「おかえり、千歳」
夜八時を過ぎた頃、千歳は家に帰ってきた。
「桃子、ただいま」
「遅くまで、お疲れ様」
「ああ、ありがとう」
千歳は疲れきった表情をしているが、少しだけ笑顔を取り戻した。
「お腹空いたよね?今ご飯用意するね」
「今日の夕飯なんだ?」
「今日はビーフシチューだよ」
千歳はスーツのネクタイを緩めながら「ビーフシチューいいな。最高だな」と嬉しそうに微笑む。
「でしょ? 今温めるね」
「じゃあ、着替えてくるわ」
「うん」
そういえば結婚する前に、千歳に一度だけ私の料理を食べさせたことがあったな。あの時は確か……ハヤシライスだった気がする。
美味しいって食べてたな、千歳。 まああの時はまだ、ただの同期でしかなかったけど。
「はい。召し上がれ」
「いただきます」
千歳は熱々のビーフシチューを、少しフーフーしてから口の中に放り込む。
「あっつ……!」
「えっ、大丈夫!?」