【完結】片想い結婚〜同期からのプロポーズは突然の一夜で〜


「へぇ? そんなに好きなのか、俺のこと」

 千歳はニヤニヤと微笑みながら、私を見ている。

「っ……やっぱムカつく!」

 好きだとか言わなきゃ良かった……!

「そんな照れんなよ、桃子」

「照れてませんっ」

 すぐそうやって意地悪するし!

「ツンデレだなあ」

「ツンでもデレでもありません」

 千歳と一緒にいると、私はおかしくなりそうだ。

「桃子はほんと、照れ屋だな」
 
「いや、照れ屋じゃないから!」

 ダメだ……。どんどん千歳のペースに呑み込まれていく。
 
「千歳こそ、私のこと好きすぎて困るくせに」

「そうだな。好きすぎて困るかもな」

「えっ……!」

 じょ、冗談で言ったのに!

「お前のことこんなに愛してるのにさ、まだ愛し足りないとか思ってる。困るだろ?」

「な、な……なんっ!」

 あ、愛し足りない……って!

 そんな恥ずかしいことをよく恥ずかしげもなく言えるのね!

「お前の心も身体も手に入れたのに、まだ愛し足りないんだよ。 どうしてくれるんだよ?」

「ど、どうって……っ」

 そ、そんなの……分からないよ!

「お前のこと、もっと愛したいんだけど」

「……か、勝手にすれば」
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