双子ママですが、別れたはずの御曹司に深愛で娶られました
頭の中は忙しなくあれこれ考えているのに、実際は彼から目を離せない。
彼は緩やかに口角を上げる。
「気になっているカフェがあって。品川駅近くの『cafe(カフェ) soggiorno(ソッジョルノ)』っていうお店なんですが」
「えっ。私も知ってます! 一度行ってみたいと......」
コーヒーが美味しいと有名な住宅街にあるこぢんまりとした〝喫茶店〟という呼び方がしっくりくる、そんなお店だ。と言っても、今言った通り私はまだ訪れたことのないお店で、ネットや雑誌で仕入れた知識しかない。
興味のあるお店なのにいまだに行ったことがないのは、単純に忙しいのもあるけれど、昔ながらの喫茶店のような場所にひとりで行く勇気が持てないだけ。
私は友人にもよく『意外』と言われるのだが、スタッフがオーダーを取りに来てくれる形式のお店にはひとりで利用できないところがあるのだ。
さっきのカフェチェーン店やファーストフード店とか、そういったところなら平気なのに......。
「だったらよかったです。早速ですが、今度の日曜の予定は?」
ずっと気になっていた喫茶店の名前が出てそちらに意識を持っていかれていた。彼のより具体的な誘いに我に返り、戸惑う。
「えっと......日曜日はお休み、ではありますが」
まさか本当に? でも行きたい場所に行けるチャンス。周りの友人にコーヒー好きな人はいないし、家族も近くにはいないし。
ぐるぐると考えている間に、さらりと約束の最終段階へ進む。
「じゃあ、午後二時頃に現地で待ち合わせはいかがですか?」
まだ完全には警戒心は消えない。なのに私は、好奇心に抗えず、ゆっくりと頷いた。
そろりと彼の顔を窺えば、満面の笑みを浮かべていた。
「では、日曜二時に。そうだ。僕は楢崎と申します」
「あ、私は古関と言います」
最後の最後に名前を教え合うなんて、なにからなにまでイレギュラーで終始気持ちが落ち着かない。
視線を泳がせていたら、楢崎さんが私の名前を口にする。
「古関さん。日曜日、楽しみにしています。それじゃあ」
「は、はい。じゃあ」
おどおどと頭を下げ、爽やかに片手を上げて去っていく楢崎さんと別れた。
日曜日。
今日は天候に恵まれ、ほどよい気温でとても気持ちのいい休日だ。
彼は緩やかに口角を上げる。
「気になっているカフェがあって。品川駅近くの『cafe(カフェ) soggiorno(ソッジョルノ)』っていうお店なんですが」
「えっ。私も知ってます! 一度行ってみたいと......」
コーヒーが美味しいと有名な住宅街にあるこぢんまりとした〝喫茶店〟という呼び方がしっくりくる、そんなお店だ。と言っても、今言った通り私はまだ訪れたことのないお店で、ネットや雑誌で仕入れた知識しかない。
興味のあるお店なのにいまだに行ったことがないのは、単純に忙しいのもあるけれど、昔ながらの喫茶店のような場所にひとりで行く勇気が持てないだけ。
私は友人にもよく『意外』と言われるのだが、スタッフがオーダーを取りに来てくれる形式のお店にはひとりで利用できないところがあるのだ。
さっきのカフェチェーン店やファーストフード店とか、そういったところなら平気なのに......。
「だったらよかったです。早速ですが、今度の日曜の予定は?」
ずっと気になっていた喫茶店の名前が出てそちらに意識を持っていかれていた。彼のより具体的な誘いに我に返り、戸惑う。
「えっと......日曜日はお休み、ではありますが」
まさか本当に? でも行きたい場所に行けるチャンス。周りの友人にコーヒー好きな人はいないし、家族も近くにはいないし。
ぐるぐると考えている間に、さらりと約束の最終段階へ進む。
「じゃあ、午後二時頃に現地で待ち合わせはいかがですか?」
まだ完全には警戒心は消えない。なのに私は、好奇心に抗えず、ゆっくりと頷いた。
そろりと彼の顔を窺えば、満面の笑みを浮かべていた。
「では、日曜二時に。そうだ。僕は楢崎と申します」
「あ、私は古関と言います」
最後の最後に名前を教え合うなんて、なにからなにまでイレギュラーで終始気持ちが落ち着かない。
視線を泳がせていたら、楢崎さんが私の名前を口にする。
「古関さん。日曜日、楽しみにしています。それじゃあ」
「は、はい。じゃあ」
おどおどと頭を下げ、爽やかに片手を上げて去っていく楢崎さんと別れた。
日曜日。
今日は天候に恵まれ、ほどよい気温でとても気持ちのいい休日だ。