双子ママですが、別れたはずの御曹司に深愛で娶られました
もうずっと誰かと休日に待ち合わせること自体がなかったから、目的地に近づくにつれ胸はドキドキして頭の中は忙しなくいろいろと考える。
本当に来るのかな。まあ、来なかったならそれはそれで......。
過度な準備や期待をすると、肩透かしにあった時にとても疲れてしまいそう。
私は自分で気持ちが浮つかないようコントロールしつつ、喫茶店にたどり着いた。
その喫茶店は、三階まである建物の一階部分にあった。
建物自体そこそこ年数が経っていそうではあるものの、それが味となってノスタルジックな雰囲気を醸し出している、そんなお店だ。
茶色いレンガ調の外壁と、緑がかったくすんだ青の千草色をした入り口のドア。ドアの手前に設置されている店名の入った突き出し看板がまたレトロでいい感じ。
私は入り口手前まで足を進め、A型のブラックボードに目を落とした。おすすめメニューが手書きで紹介されているのを眺める。
「古関さん、こんにちは」
ふいに呼ばれて振り返る。そこには私服姿の楢崎さんがいた。
黒のテーパードパンツに白いシャツ。春用のベージュのチェスターコートが長身の楢崎さんにとてもよく似合う。
仕事用スーツと違って、爽やかさが増す私服姿にうっかり見惚れる。
楢崎さんと目が合うとニコッと微笑みかけられ、私は我に返った。
「あっ。こ、こんにちは」
頭を下げながら心の中で『本当に来た』とつぶやく。同時に、ドクドクと得体の知れない動悸がする。
「オフの古関さんも素敵ですね。その服、よく似合ってます」
さらりと白い歯を覗かせて褒められた私は、あたふたとして返す。
「えっ。そ、そうですか? ありがとうございます。その、楢崎さんこそ素敵です」
素敵だと思ったのは本当なのに、取ってつけた感じに聞こえてしまったかな。
自己嫌悪に陥っていると、彼は屈託のない笑顔で答える。
「ありがとう。気合い入れてきた甲斐があったかな」
「わ、私も! その、もうずっと仕事ばかりにウェイトおいていて、こんなふうに誰かと出かけたりしなかったのですごく悩んで」
緊張と羞恥心とで早口になった。はたとして彼を見たら、目をぱちぱちさせた後、「ふふっ」と笑い声を漏らす。
「じゃ、一緒ですね。僕たち。とりあえず中に入りましょうか」
「そ、そうですね」
照れくささから、どうにもぎくしゃくしてしまう。
本当に来るのかな。まあ、来なかったならそれはそれで......。
過度な準備や期待をすると、肩透かしにあった時にとても疲れてしまいそう。
私は自分で気持ちが浮つかないようコントロールしつつ、喫茶店にたどり着いた。
その喫茶店は、三階まである建物の一階部分にあった。
建物自体そこそこ年数が経っていそうではあるものの、それが味となってノスタルジックな雰囲気を醸し出している、そんなお店だ。
茶色いレンガ調の外壁と、緑がかったくすんだ青の千草色をした入り口のドア。ドアの手前に設置されている店名の入った突き出し看板がまたレトロでいい感じ。
私は入り口手前まで足を進め、A型のブラックボードに目を落とした。おすすめメニューが手書きで紹介されているのを眺める。
「古関さん、こんにちは」
ふいに呼ばれて振り返る。そこには私服姿の楢崎さんがいた。
黒のテーパードパンツに白いシャツ。春用のベージュのチェスターコートが長身の楢崎さんにとてもよく似合う。
仕事用スーツと違って、爽やかさが増す私服姿にうっかり見惚れる。
楢崎さんと目が合うとニコッと微笑みかけられ、私は我に返った。
「あっ。こ、こんにちは」
頭を下げながら心の中で『本当に来た』とつぶやく。同時に、ドクドクと得体の知れない動悸がする。
「オフの古関さんも素敵ですね。その服、よく似合ってます」
さらりと白い歯を覗かせて褒められた私は、あたふたとして返す。
「えっ。そ、そうですか? ありがとうございます。その、楢崎さんこそ素敵です」
素敵だと思ったのは本当なのに、取ってつけた感じに聞こえてしまったかな。
自己嫌悪に陥っていると、彼は屈託のない笑顔で答える。
「ありがとう。気合い入れてきた甲斐があったかな」
「わ、私も! その、もうずっと仕事ばかりにウェイトおいていて、こんなふうに誰かと出かけたりしなかったのですごく悩んで」
緊張と羞恥心とで早口になった。はたとして彼を見たら、目をぱちぱちさせた後、「ふふっ」と笑い声を漏らす。
「じゃ、一緒ですね。僕たち。とりあえず中に入りましょうか」
「そ、そうですね」
照れくささから、どうにもぎくしゃくしてしまう。