双子ママですが、別れたはずの御曹司に深愛で娶られました
もちろん事実を聞いた瞬間驚きはした。しかし、楢崎さんがどんな立場であっても、今目の前にいる彼が〝彼〟であって、こうして向かい合って飲み物を飲み、談笑するのにさほど問題はないと思ったから。
『なぜ楢崎さんは私を誘ったんですか?』
その単純な質問も、私は終始口にせず。
ただこのゆったりとした空間で彼と向かい合い、お互い静かにカップを口に運ぶ。時折視線がぶつかると微笑む様が面映ゆくて、温かい。
彼と一時穏やかな時間を共有しているだけで十分だった。
たわいのない話を重ね、気づけば午後三時を回る。
美味しいうちに飲もうかどうしようかと悩んでいた私も、楢崎さんとの会話が楽しくて、ついさっきカフェラテを飲み干した。
「そろそろ出たほうがいいですよね。すみません。ついお話が盛り上がって結局飲むのが遅くなっちゃって」
「僕は大丈夫。でもほかのお客さんが来るかもしれないから出ようか。ここへはまた来よう」
楢崎さんが席を立ちながらなにげなく言った言葉が引っかかる。
『また』って本気で言った言葉なのかな。そもそも今日はどういった目的で誘われたのかもはっきりわからないままだ。そのせいで、気持ちの置き場が難しかった。
私は楢崎さんに続いてcafe soggiornoを出る。
デート、なのかなあ。だけど、彼は私がカフェでアルバイトをしていたことを知っていたし、それを踏まえてたまたま気になっていた喫茶店に誘った程度のような。通話中の楢崎さんにボールペンを貸したお礼......的な。そうだとしたら、あれは私が勝手にしたことなのに申し訳なかったな。
考え事をしていたら、目の前で楢崎さんが立ち止まったのに気づくのが遅れて危うくぶつかりそうになってしまった。
楢崎さんはおもむろにこちらを振り返る。瞬間目が合い、ドキッとする。
「あ......あの、カフェラテごちそうさまでした」
私は動揺をごまかしつつ、お辞儀をしてお礼を言った。
やっぱり、いまさら代金を受け取ってはくれないよね。
彼ほどの余裕がある大人の男性なら、女性に支払いをさせないように気を配っているのかもしれない。あんまり食い下がるのも迷惑だと考えて、ここは受け入れよう。
ひとつ解決したものの、肝心のこの後の件がまだはっきりとしていない。
急に『じゃあ、これで』と切り出すのも失礼じゃないかな......。
『なぜ楢崎さんは私を誘ったんですか?』
その単純な質問も、私は終始口にせず。
ただこのゆったりとした空間で彼と向かい合い、お互い静かにカップを口に運ぶ。時折視線がぶつかると微笑む様が面映ゆくて、温かい。
彼と一時穏やかな時間を共有しているだけで十分だった。
たわいのない話を重ね、気づけば午後三時を回る。
美味しいうちに飲もうかどうしようかと悩んでいた私も、楢崎さんとの会話が楽しくて、ついさっきカフェラテを飲み干した。
「そろそろ出たほうがいいですよね。すみません。ついお話が盛り上がって結局飲むのが遅くなっちゃって」
「僕は大丈夫。でもほかのお客さんが来るかもしれないから出ようか。ここへはまた来よう」
楢崎さんが席を立ちながらなにげなく言った言葉が引っかかる。
『また』って本気で言った言葉なのかな。そもそも今日はどういった目的で誘われたのかもはっきりわからないままだ。そのせいで、気持ちの置き場が難しかった。
私は楢崎さんに続いてcafe soggiornoを出る。
デート、なのかなあ。だけど、彼は私がカフェでアルバイトをしていたことを知っていたし、それを踏まえてたまたま気になっていた喫茶店に誘った程度のような。通話中の楢崎さんにボールペンを貸したお礼......的な。そうだとしたら、あれは私が勝手にしたことなのに申し訳なかったな。
考え事をしていたら、目の前で楢崎さんが立ち止まったのに気づくのが遅れて危うくぶつかりそうになってしまった。
楢崎さんはおもむろにこちらを振り返る。瞬間目が合い、ドキッとする。
「あ......あの、カフェラテごちそうさまでした」
私は動揺をごまかしつつ、お辞儀をしてお礼を言った。
やっぱり、いまさら代金を受け取ってはくれないよね。
彼ほどの余裕がある大人の男性なら、女性に支払いをさせないように気を配っているのかもしれない。あんまり食い下がるのも迷惑だと考えて、ここは受け入れよう。
ひとつ解決したものの、肝心のこの後の件がまだはっきりとしていない。
急に『じゃあ、これで』と切り出すのも失礼じゃないかな......。