双子ママですが、別れたはずの御曹司に深愛で娶られました
だから私は、彼の質問になにも返せなかった。
それでもどうにか首を横に振ると、楢崎さんは一度軽く息を吐く。そしてシートに背中を預け、瞼を下ろしてこぼした。
「仕方ないか」
「え?」
「今日はまだデート一回目だしね。警戒されるのも無理はないし、むしろそのくらいしっかりしてくれてるほうが安心する」
『警戒だなんて!』と言いたくても、口が動かない。
どこか甘い雰囲気に緊張して、自分の心音が静寂な車内に響いてしまいそう。
彼が再び瞳を露わにし、私を捕らえる。
「というわけで、次の約束をしたいから連絡先を教えてほしいんだけど」
真剣な面持ちで言うなり、ポケットからスッとスマホ出して聞かれる。
「ダメ?」
なんとなく楢崎さんも勇気を出しているような気がして、私は胸の奥が熱くなる。
「今日は本当に楽しかったです。ありがとうございました」
お礼を口にした私は、楢崎さんをまっすぐ見つめた。それから、次の言葉を続けるのに少々時間がかかる。
彼が寂しそうな目をしたのを見て、私は慌ててバッグからスマートフォンを取り出して両手で差し出した。
「私でよければ......また予定が合えば、よろしくお願いいたします」
連絡先の交換にこれほど緊張した記憶はない。
スマートフォンから視線を上げていくと、楢崎さんは「こちらこそ」と破顔した。
それから私たちはデートを重ねた。
仕事の後なら食事をして少しドライブをしたり、休日ならばお昼頃に待ち合わせをして、車でちょっと遠出をしたり。
三度目のデートの頃には、彼の肩書きも忘れるている時間が多くなり、初めの頃よりも自然に会話ができるようにはなっていた。しかし、日を追うごとに別の緊張感は増していくばかり。
あれから楢崎さんは毎日連絡をくれている。忙しい人のはずなのに、とこちらが心配になるほどマメだ。一緒に出かけている時も、疲れなど微塵も見せずに完璧にエスコートをしてくれる。
そんな完璧な彼と交流を深めていくにつれ、自然と名前で呼び合うほどになった。
同時に私は完全に彼に好意を抱いていた。
だって、仕方がないじゃない。彼ほどなんでも揃っている上にフェミニストで、常に公平な心の持ち主で......。惹かれない理由など見当たらない。
むしろ、そんな彼がなぜ私と一緒にいてくれるのかが不思議だった。
それでもどうにか首を横に振ると、楢崎さんは一度軽く息を吐く。そしてシートに背中を預け、瞼を下ろしてこぼした。
「仕方ないか」
「え?」
「今日はまだデート一回目だしね。警戒されるのも無理はないし、むしろそのくらいしっかりしてくれてるほうが安心する」
『警戒だなんて!』と言いたくても、口が動かない。
どこか甘い雰囲気に緊張して、自分の心音が静寂な車内に響いてしまいそう。
彼が再び瞳を露わにし、私を捕らえる。
「というわけで、次の約束をしたいから連絡先を教えてほしいんだけど」
真剣な面持ちで言うなり、ポケットからスッとスマホ出して聞かれる。
「ダメ?」
なんとなく楢崎さんも勇気を出しているような気がして、私は胸の奥が熱くなる。
「今日は本当に楽しかったです。ありがとうございました」
お礼を口にした私は、楢崎さんをまっすぐ見つめた。それから、次の言葉を続けるのに少々時間がかかる。
彼が寂しそうな目をしたのを見て、私は慌ててバッグからスマートフォンを取り出して両手で差し出した。
「私でよければ......また予定が合えば、よろしくお願いいたします」
連絡先の交換にこれほど緊張した記憶はない。
スマートフォンから視線を上げていくと、楢崎さんは「こちらこそ」と破顔した。
それから私たちはデートを重ねた。
仕事の後なら食事をして少しドライブをしたり、休日ならばお昼頃に待ち合わせをして、車でちょっと遠出をしたり。
三度目のデートの頃には、彼の肩書きも忘れるている時間が多くなり、初めの頃よりも自然に会話ができるようにはなっていた。しかし、日を追うごとに別の緊張感は増していくばかり。
あれから楢崎さんは毎日連絡をくれている。忙しい人のはずなのに、とこちらが心配になるほどマメだ。一緒に出かけている時も、疲れなど微塵も見せずに完璧にエスコートをしてくれる。
そんな完璧な彼と交流を深めていくにつれ、自然と名前で呼び合うほどになった。
同時に私は完全に彼に好意を抱いていた。
だって、仕方がないじゃない。彼ほどなんでも揃っている上にフェミニストで、常に公平な心の持ち主で......。惹かれない理由など見当たらない。
むしろ、そんな彼がなぜ私と一緒にいてくれるのかが不思議だった。