双子ママですが、別れたはずの御曹司に深愛で娶られました
三人がけの皮張りのソファ。その正面には大きめのテレビが壁付けされている。リビングには球体の柔らかな印象を与える白いランプシェードがあり、その近くにはスピーカーが埋め込まれているのに気づいた。テレビのサイズも一般的な家庭が選ぶものよりも大きいし、映画を観たりするのだろう。
そして、なによりも雄吾さんらしいなと感じた場所がソファの後方のスペースだ。
ウォールシェルフにぎっしりと並べられた経済紙やビジネス本の数々。そこにちょっと丸みを帯びたレザーと木製を合わせた、スタイリッシュなデザインのひとりがけ用の椅子。オットマンもセットで、サイドテーブルもある。
あの四畳半ほどの空間は、雄吾さんのプライベートそのものな気がした。
「少し休んでから作ろうか?」
「いや! 大丈夫。というか、むしろ一度座っちゃったらなかなか再エンジンがかからないから。私が」
自虐交じりに答えると、雄吾さんは「たしかに」と同調して目を細めた。
ふたりでキッチンに入り、手を洗って買ってきた食材を調理台に並べる。
雄吾さんとスーパーでなにを作ろうかと話しつつ、メインはグラタンにすることになった。いざ、と思った直後、はっと気づいた。
「あっ。エプロンがない。うーん、どうしよう」
自分の服は汚れないよう注意を払うとして、自分だけの食事ならまだしも雄吾さんもいるのに衛生面的に気になる。
なにか代用できるものでもあったかと考えていると、背後からふわっとなにかを被せられた。下を見ると、着せられたのは黒いエプロンだった。
「気がつかなくてごめん。これ使って」
「ありがとう」
少しサイズが大きめのエプロン。きっと雄吾さんのものだろう。
「雄吾さん、料理するんですね」
「凝ったものは作れないし、焼くだけ煮るだけ、みたいなものだよ。エプロンは、ワイシャツが汚れないようにね。あー、ちょっと紐が長いか。春奈、そのまま」
雄吾さんが後ろから腰紐を私のウエストに一周させる。急な密着状態に私は硬直して動けない。肩の辺りに雄吾さんの顔があって、彼の髪が首筋を掠める。
「春奈は細いからなあ」
くすぐったさを感じるのはほんの一瞬だけ。その後は、耳元で聞こえる声や触れそうで触れない手に、変な感情が湧きあがってくるのを必死に抑える。
紐を結び終えた雄吾さんは、私の葛藤など知らぬ顔で調理に戻った。
そして、なによりも雄吾さんらしいなと感じた場所がソファの後方のスペースだ。
ウォールシェルフにぎっしりと並べられた経済紙やビジネス本の数々。そこにちょっと丸みを帯びたレザーと木製を合わせた、スタイリッシュなデザインのひとりがけ用の椅子。オットマンもセットで、サイドテーブルもある。
あの四畳半ほどの空間は、雄吾さんのプライベートそのものな気がした。
「少し休んでから作ろうか?」
「いや! 大丈夫。というか、むしろ一度座っちゃったらなかなか再エンジンがかからないから。私が」
自虐交じりに答えると、雄吾さんは「たしかに」と同調して目を細めた。
ふたりでキッチンに入り、手を洗って買ってきた食材を調理台に並べる。
雄吾さんとスーパーでなにを作ろうかと話しつつ、メインはグラタンにすることになった。いざ、と思った直後、はっと気づいた。
「あっ。エプロンがない。うーん、どうしよう」
自分の服は汚れないよう注意を払うとして、自分だけの食事ならまだしも雄吾さんもいるのに衛生面的に気になる。
なにか代用できるものでもあったかと考えていると、背後からふわっとなにかを被せられた。下を見ると、着せられたのは黒いエプロンだった。
「気がつかなくてごめん。これ使って」
「ありがとう」
少しサイズが大きめのエプロン。きっと雄吾さんのものだろう。
「雄吾さん、料理するんですね」
「凝ったものは作れないし、焼くだけ煮るだけ、みたいなものだよ。エプロンは、ワイシャツが汚れないようにね。あー、ちょっと紐が長いか。春奈、そのまま」
雄吾さんが後ろから腰紐を私のウエストに一周させる。急な密着状態に私は硬直して動けない。肩の辺りに雄吾さんの顔があって、彼の髪が首筋を掠める。
「春奈は細いからなあ」
くすぐったさを感じるのはほんの一瞬だけ。その後は、耳元で聞こえる声や触れそうで触れない手に、変な感情が湧きあがってくるのを必死に抑える。
紐を結び終えた雄吾さんは、私の葛藤など知らぬ顔で調理に戻った。