双子ママですが、別れたはずの御曹司に深愛で娶られました
東京に住むようになって買う機会はあるものの、いざ東京にいるとなかなか自分だけのためには買わない。どちらかというと、お使い物で利用するお店だ。だからこうして、かしやまのお菓子をもらえるのはうれしい。
「じゃあもう遅いし、僕はもう行くね」
「あっ」
雄吾さんが踵を返した直後、咄嗟に声をあげて彼の上着の裾を掴んだ。彼は驚いた顔で振り返る。
「え~と、あの、その」
頭で考えるよりも先に、別れ難さから手が勝手に伸びたから、なにかを伝える準備ができていない。
私は必死に考えを巡らせ、顔を上げた。
「ありがとう。会いに来てくれてうれしかった。とても」
『まだ一緒にいたいくらい』とまでは言うのはやめた。
同じ後ろ髪を引かれる瞬間でも、プラスの言葉で別れたい。
次の瞬間、あっという間に視界は真っ暗になり、数秒後に彼に抱き留められているのだと理解した。
彼はぎゅうっと腕に力を込めて私を抱きしめる。
「春奈は恥ずかしがらずに自分の気持ちをよく言ってくれるね」
「え? そうかな。あんまり意識したことはないけど」
すると雄吾さんはふっと腕を緩め、数秒見つめ合ったあとに額を軽くぶつける。
「どうかそのままで」
彼は目を閉じ、少しの間そのまま動かなかった。私も黙って彼が瞼を開けるのを待つ。
「ああ。僕、春奈と一日でも早く一緒に暮らしたい。日を追うごとに別れがつらくなってる」
再び視線を交わした彼は、優しく笑った。
彼の切実な思いを聞き、胸が高鳴っていく。
雄吾さんは私の両肩に手を置き、そっと身体を離すと両目を覗き込んで言った。
「近いうちに春奈のご両親に挨拶させてほしい」
彼の誠実さが溢れる言葉に、私はうれし涙を隠して「はい」と答えるのが精いっぱいだった。
翌日からの土日は、もともと雄吾さん側に予定があって会う時間はなかった。
なにやら雄吾さんはお父さんの都合に付き合わされ、他県を回ったりと本当に忙しそうだ。それでも、週末は大抵メッセージや電話など連絡をくれる。
忙しいのに申し訳ないと思う傍ら、彼からの連絡をいつも心待ちにしていた。
私は金曜日の夜の出来事をずっと反芻して休日を過ごしていた。
毎晩眠る前に雄吾さんの温もりと言葉を噛みしめていたら、ドキドキしすぎてあまり眠れなかった。しかし、それは不安によるものではない。
「じゃあもう遅いし、僕はもう行くね」
「あっ」
雄吾さんが踵を返した直後、咄嗟に声をあげて彼の上着の裾を掴んだ。彼は驚いた顔で振り返る。
「え~と、あの、その」
頭で考えるよりも先に、別れ難さから手が勝手に伸びたから、なにかを伝える準備ができていない。
私は必死に考えを巡らせ、顔を上げた。
「ありがとう。会いに来てくれてうれしかった。とても」
『まだ一緒にいたいくらい』とまでは言うのはやめた。
同じ後ろ髪を引かれる瞬間でも、プラスの言葉で別れたい。
次の瞬間、あっという間に視界は真っ暗になり、数秒後に彼に抱き留められているのだと理解した。
彼はぎゅうっと腕に力を込めて私を抱きしめる。
「春奈は恥ずかしがらずに自分の気持ちをよく言ってくれるね」
「え? そうかな。あんまり意識したことはないけど」
すると雄吾さんはふっと腕を緩め、数秒見つめ合ったあとに額を軽くぶつける。
「どうかそのままで」
彼は目を閉じ、少しの間そのまま動かなかった。私も黙って彼が瞼を開けるのを待つ。
「ああ。僕、春奈と一日でも早く一緒に暮らしたい。日を追うごとに別れがつらくなってる」
再び視線を交わした彼は、優しく笑った。
彼の切実な思いを聞き、胸が高鳴っていく。
雄吾さんは私の両肩に手を置き、そっと身体を離すと両目を覗き込んで言った。
「近いうちに春奈のご両親に挨拶させてほしい」
彼の誠実さが溢れる言葉に、私はうれし涙を隠して「はい」と答えるのが精いっぱいだった。
翌日からの土日は、もともと雄吾さん側に予定があって会う時間はなかった。
なにやら雄吾さんはお父さんの都合に付き合わされ、他県を回ったりと本当に忙しそうだ。それでも、週末は大抵メッセージや電話など連絡をくれる。
忙しいのに申し訳ないと思う傍ら、彼からの連絡をいつも心待ちにしていた。
私は金曜日の夜の出来事をずっと反芻して休日を過ごしていた。
毎晩眠る前に雄吾さんの温もりと言葉を噛みしめていたら、ドキドキしすぎてあまり眠れなかった。しかし、それは不安によるものではない。