双子ママですが、別れたはずの御曹司に深愛で娶られました
金曜日のあの時までは不安のほうが大きくなっていたのに。彼の気持ちを聞いて、嘘のように心が穏やかになっている。
自分がこんなに現金な人間だとは知らなかった。好きな人から『一緒にいたい』と言われると、こんなに景色が違って見える。
週明けの月曜日。私は会社に着いて、エレベーターホールでエレベーターを待つ。
両親に挨拶......か。どうしよう。想像だけでめちゃくちゃ緊張してきた。
緊張と高揚と入り乱れ、まだ詳細も決まっていないのにそわそわする。週末は暇だったせいもあり、そのことばかり考えていた気がする。
これから仕事なのだからと雑念を振り払おうとした時に、前に立っていた他社の社員らしき女性が私の後方に向かって声をかけた。
「あ、おはよう。ってどうしたの? 暗い顔して。なんかあった?」
反射で少し後ろを振り返ると、他人の私にもわかるくらいに憔悴しきった女性がやってきた。
彼女は私の横を通り過ぎ、前の女性のもとへ行くとぽつりとこぼす。
「......白紙になるかも。結婚の話」
「えっ。な、なんで?」
距離が近いから会話が聞こえてきてしまう。
私は罪悪感を抱きつつも、エレベーターを待っているわけだしと、その場を動かずになにも聞いていないふりをした。
すると、後からやって来た女性が、今にも泣き出しそうな声色で答える。
「向こうの両親に反対されて......彼、由緒ある家の長男だったみたいで。私の家は釣り合いが取れないからって」
「えーっ! 今時そんなこと言う人いるの? それ引き合いに出されても、家のことなんかどうにもできないじゃん」
「もうどうしたらいいか......」
「うーん。家を捨てて駆け落ち......とか」
知り合いでもないふたりの会話を聞いて、胸がざわめいた。
つらそうに相談する女性に同情心が芽生えるのも束の間、まるで自分のことのように感じて聞いていられなくなった。
思わずその場から逃げ出し、私は一階の化粧室へ足を向ける。肩にかけたバッグの紐をきつく握り、速足で化粧室に入った。
併設されているパウダールームで、鏡に映る自分と向き合う。
さっきの人の話は、他人事とは思えない。
当人たちがよくても、家族を交えて話を進めようとした際に躓く話はたまに聞く。
自分がこんなに現金な人間だとは知らなかった。好きな人から『一緒にいたい』と言われると、こんなに景色が違って見える。
週明けの月曜日。私は会社に着いて、エレベーターホールでエレベーターを待つ。
両親に挨拶......か。どうしよう。想像だけでめちゃくちゃ緊張してきた。
緊張と高揚と入り乱れ、まだ詳細も決まっていないのにそわそわする。週末は暇だったせいもあり、そのことばかり考えていた気がする。
これから仕事なのだからと雑念を振り払おうとした時に、前に立っていた他社の社員らしき女性が私の後方に向かって声をかけた。
「あ、おはよう。ってどうしたの? 暗い顔して。なんかあった?」
反射で少し後ろを振り返ると、他人の私にもわかるくらいに憔悴しきった女性がやってきた。
彼女は私の横を通り過ぎ、前の女性のもとへ行くとぽつりとこぼす。
「......白紙になるかも。結婚の話」
「えっ。な、なんで?」
距離が近いから会話が聞こえてきてしまう。
私は罪悪感を抱きつつも、エレベーターを待っているわけだしと、その場を動かずになにも聞いていないふりをした。
すると、後からやって来た女性が、今にも泣き出しそうな声色で答える。
「向こうの両親に反対されて......彼、由緒ある家の長男だったみたいで。私の家は釣り合いが取れないからって」
「えーっ! 今時そんなこと言う人いるの? それ引き合いに出されても、家のことなんかどうにもできないじゃん」
「もうどうしたらいいか......」
「うーん。家を捨てて駆け落ち......とか」
知り合いでもないふたりの会話を聞いて、胸がざわめいた。
つらそうに相談する女性に同情心が芽生えるのも束の間、まるで自分のことのように感じて聞いていられなくなった。
思わずその場から逃げ出し、私は一階の化粧室へ足を向ける。肩にかけたバッグの紐をきつく握り、速足で化粧室に入った。
併設されているパウダールームで、鏡に映る自分と向き合う。
さっきの人の話は、他人事とは思えない。
当人たちがよくても、家族を交えて話を進めようとした際に躓く話はたまに聞く。