大嫌いと言われた元カレに再会したら、息子ごと溺愛が待っていました
「俺に別れを告げたときのお前は、いつもとはなにか違っていた。泣き虫で甘えん坊で、でも俺と一緒の大学に行きたいからって頑張ってた寧子じゃなかった。子どもは今、九歳だよな? 誕生日は九月だって、岩波さんが教えてくれた」
急に話が変わり戸惑っていると、彼は自分を落ち着かせるように一拍置き、話を続けた。
「覚えてるか? 雪が降った日の夜のこと」
ひゅっと息を呑む。私の背中から冷たい汗が流れ落ちた。
彼は気づいている。拓也を騙せたのは、妊娠で驚かせた上で、私の浮気を知らせ怒らせることができたからだ。正常な判断ができる状況で、あの別れはあり得なかった。
「覚えて、ない」
「なら、教えてやる。受験当日まで会わないって決めた日、しばらく会えなくなるからってうちに来たよな? でも東京は大雪警報が出ていて電車が止まった。案の定寧子は自宅に帰れなくなった。うちの親は出張でいなくて、二人きりだったな。そのあとどうなったかも説明いるか?」
「いい……思い出したから」
覚えてないなんてうそだ。彼と初めて身体を重ねた日を忘れるはずがない。
互いに慣れていなくて快感は得られなかったけれど、幸せで満たされた。
「俺の子だよな? あのときできた子以外、あり得ない」
「違う!」
必死に否定しながらも、もう無理だと思い始めていた。きっと確信できるだけの証拠を彼は持っている。
「あのとき、どうして気づかなかったんだろうな。お前のうそに」
私は観念したように項垂れた。けれど、彼の子だとバレたとしても、なにが変わるわけじゃない。唇を引き結び、溢れそうになる涙を手の甲で拭う。
急に話が変わり戸惑っていると、彼は自分を落ち着かせるように一拍置き、話を続けた。
「覚えてるか? 雪が降った日の夜のこと」
ひゅっと息を呑む。私の背中から冷たい汗が流れ落ちた。
彼は気づいている。拓也を騙せたのは、妊娠で驚かせた上で、私の浮気を知らせ怒らせることができたからだ。正常な判断ができる状況で、あの別れはあり得なかった。
「覚えて、ない」
「なら、教えてやる。受験当日まで会わないって決めた日、しばらく会えなくなるからってうちに来たよな? でも東京は大雪警報が出ていて電車が止まった。案の定寧子は自宅に帰れなくなった。うちの親は出張でいなくて、二人きりだったな。そのあとどうなったかも説明いるか?」
「いい……思い出したから」
覚えてないなんてうそだ。彼と初めて身体を重ねた日を忘れるはずがない。
互いに慣れていなくて快感は得られなかったけれど、幸せで満たされた。
「俺の子だよな? あのときできた子以外、あり得ない」
「違う!」
必死に否定しながらも、もう無理だと思い始めていた。きっと確信できるだけの証拠を彼は持っている。
「あのとき、どうして気づかなかったんだろうな。お前のうそに」
私は観念したように項垂れた。けれど、彼の子だとバレたとしても、なにが変わるわけじゃない。唇を引き結び、溢れそうになる涙を手の甲で拭う。