シークレットベビー~初めまして、愛している。記憶喪失からはじまる二度目の結婚生活は三人で~
「これが香典よ。弥紗さん」
と慧斗さんが居なくなった途端、態度を豹変させ、私に投げるように香典を渡した。

「ありがとう御座います。お預かり致します」

「…貴方は大丈夫なの?勇気君の病気って遺伝病でしょ?」

お義母さんは一番嫌な所を突いて来た。

彼の子を身ごもる以上、自分が保因者であるか否か、ハッキリさせる事は急務だった。

でも、怖い。


「私は大丈夫だと…思います」

私は適当に誤魔化してはみたが、お義母さんの疑惑の眼差しは続いた。


―――早く慧斗さん…帰って来て!!と心の中で叫んでいると戻って来た。


「母さん、香典は?」

「あ、弥紗さんに渡したわよ…」

「そっ、じゃ行くね」

「もう行くの?」

お義母さんは久しぶりに帰って来た慧斗さんを引き留めようと必死だった。

「俺達お通夜行くんだ…またの機会にしてよ」

「寂しいけど、仕方がないわね。気を付けていくのよ。慧斗」

< 11 / 90 >

この作品をシェア

pagetop