シークレットベビー~初めまして、愛している。記憶喪失からはじまる二度目の結婚生活は三人で~
「無理に忘れる事ないと思うぞ。俺だって…最愛の人を忘れる為にワザと忙しくしてた時期もあったけど。自分が忘れたら、その子は誰にも思い出してくれなくなる。彼女の存在自体がこの世からなくなる。そう思って無理に忘れる事は止めた。勇気君はお前の愛息だろ?神崎」
「渚先生…」
お姉ちゃんは渚先生の言葉で秘めていた涙を溢れさせた。
「神崎…」
渚先生は赤子のように啼く喚くお姉ちゃんの頭を撫でた。
二人の様子を見て、私はそっと病室の外に出た。
私の前では気丈にしていたお姉ちゃん。
あんな風に感情を露わにして甘える事の出来る渚先生は貴重な存在。
私は二人の間に恋の芽生えを期待した。