シークレットベビー~初めまして、愛している。記憶喪失からはじまる二度目の結婚生活は三人で~
「用周到だな。弥紗」

お義母さんが置いていったとは彼に言わなかった。

ちゃんと遺伝子検査して、私の方から身を引くべきだったかもしれない。

彼は出て行く準備が終えるとダイニングテーブルで離婚届にサインと捺印をした。

「俺と離婚しても、会社には勤められるように父には頼んでおく。慰謝料も弁護士を立てて、用意する」
「離婚の原因は私のカラダでしょ?」

「・・・遠慮するな…」

「慧斗さん…」

「君もサインと捺印してくれ」

私は初めて瞳に涙を溜めて、サインと捺印した。

婚姻届にサインした時、流した涙は嬉し涙なのに、今の流す涙は悲しみで一杯だ。

「弥紗・・・俺が家も何もかも捨てればいい話だけど…それは出来ない」

「私が悪いのね…」

「弥紗・・・」

離婚届にサインと捺印したのに、私達の間にはまだ愛が残っていた。

何の縛りもなく、二人だけで生きていけたら、どんなにいいだろう。

彼がビジネスバックに離婚届を入れた。

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