シークレットベビー~初めまして、愛している。記憶喪失からはじまる二度目の結婚生活は三人で~
母方の家系を遡って調べてみると姉と同じで叔母も若い時、勇気君と同じ難病で男児を亡くしていた。

脳障害や結合組織異常と言った重篤な症状を引き起こし、未だ根本的な治療法は確立されていない。

勇気君も発語もなく、唯寝ているだけで病院から全く出られなかった。

私は姉を慰め、電話を切ると慧斗さんのスマートフォンに電話をして、勇気君の死を告げた。


叔母も保因者である事が判明し、私も遺伝子検査を受けるよう姉から勧められたが、未だ検査を受けていない。

高い確率で保因者である事は間違えない。

原則的に男児が発症する難病。

難病の遺伝子を持つとお義母さんが知ったらと思うと恐ろしい。

きっと私に『慧斗さんとは別れろ』と離婚を迫るだろう。


だから、私は検査が受けられなかった。

姉が夫と義両親から離婚を迫られた修羅場に遭遇した。

「そんな遺伝子を持った女だと知っていれば、結婚しなかった!!」
と義母は激しく姉を罵った。

多分、お義母さんも同じような事を口にする。

慧斗さんだってきっと…


姉の元夫のように私を捨てるかもしれない。

妊活をしながらも本当は子供を産むのが怖かった。
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