ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~
 


 店の前を掃こうとして出たあかりは、小学校低学年の児童たちにとり囲まれていた。

「ねえねえ、このお店、なんの魔法が使えるの?」

 ……使えません。

 入り口付近にトルコランプや、アラジンと魔法のランプみたいなオイルランプがたくさん飾ってあって怪しい感じだからだろう。

「おねえさん、なんか呪文言ってよ」

「美人のおねえさん、なんか呪文言ってよ」

 むむ。
 子どももいろいろ知恵を働かすようだ。

 美人の、とつければ、私がとっておきの呪文を言うと思っているようだ。

 ……だが、子どもたちの夢を壊しては悪いな。

 美人、と言ってもらったので、無理矢理にでもなにか言わなければと思ったわけではないのだが。

 小学校のときのお芝居でやった怪しいランプの精――、

 何故か、ひとりじゃなくて、たくさんいる……、

 の役をやったときの踊りのポーズを思い出し、あかりは言った。

「アブラカタブラ、ほにゃらら~」
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