とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜
そういうわけで、私は彼の懐事情も考慮して『じゃあ、コーヒーとクッキーを…』と言う注文をする。
キースに至ってはコーヒーだけ注文していたし、やっぱり痛い出費になったのだろうと察した。
「それで、フローラは私に用事だったのよね?しばらくは来ないって言ってたけど…急にどうしたの?ん!ケーキ美味しい〜」
パクパクと目の前のケーキに手を付けながら、アンが不思議そうに問いかけてくる。
は!そうだった…。
キースのことやらカフェのことですっかり二の次になっていたが、私が今日街に来た目的はアンに婚約破棄の件を相談するためだ。
私は口に運ぼうとしていたコーヒーのカップをソッと置くと、真剣な表情でアンを見つめる。
「実はね…婚約者のことなんだけど」
そして、私がロイのことを切り出そうとした時。
「…ッゴホ、ゴホ…!!」
横に座っていたキースが急に咳き込み始め、私は慌てて「大丈夫ですか?」と背中を擦る。
どうやら、飲んでいたコーヒーが気管に入ったようだ。