とある公爵令嬢の華麗なる遊戯〜私、絶対に婚約破棄してみせます〜
「…ッ。いや…大丈夫。突然の話にびっくりしちゃってさ」
ようやく咳が収まったキースは、私にそう言いつつも、なぜか笑顔が引きつっている。
かなり苦しかったのかな…?
そんなキースを横目に、アンはやれやれといった表情を浮かべていた。
「まぁ。動揺しているキースのことは放っておくとして…それで、婚約破棄の方は上手くいったの??」
声を潜めて、私に問いかけるアン。
「婚約破棄…」
事情を知らないキースにとっては、婚約者だの婚約破棄だの、きっとわけが分からないだろう。
ポツリと呟いて目を見開く彼を見てると、戸惑っているのが伝わってくる。
「うん…それが、思ってた以上に相手がやり手でね…。もっと簡単に婚約破棄できると思ってたんだけど…」
「へぇ…!フローラが困る程度には頭がキレる人ってこと?それで容姿はどんな感じだったの??」
ワクワクとした様子で質問してくるアンに思わず「アンもよく知ってる人だよ…」と言ってしまいたくなったがそこはグッと堪える。