【コミカライズ決定】婚約者の浮気相手が子を授かったので
 だから、茶葉と薬草の配合率を指示するのがファンヌの役目であったし、その配合率を決めるのがファンヌの研究でもあった。
 これから寒い冬本番を迎えようとしているため、工場で『製茶』されているお茶は、身体を温めて眠りやすくしてくれるお茶が(おも)だ。また、リヴァスも雪は降らないが朝晩は冷え込む気候となる。どうしてもこのお茶が今は一番必要とされる季節なのだ。
「皆さん、不便なことはありませんか?」
「はい、今のところは」
「何か困ったことがありましたら、遠慮せずに私か責任者のルイにまで言ってください」
 工場で働く作業者たちの顔色は良さそうだ。
 ファンヌは一通り工場の作業者たちの顔を確認してから、研究室へと向かった。
 今、ファンヌが取り組んでいる研究は、肩こりで悩んでいるカーラの症状を和らげるお茶であった。彼女の話を聞く限りでは、血液の循環の悪さと睡眠不足が原因として挙げられそうだ。だから、今、大衆向けに『製茶』している身体を温めるお茶の効能をもう少し強めたお茶を『調茶』しようと考えていた。

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