【コミカライズ決定】婚約者の浮気相手が子を授かったので
「う~ん」
 結局、ファンヌは今もエルランドの研究室にいる。リヴァスにいたときから共に研究をしていたためか、同じ空間で研究することが当たり前になっていた。
 リヴァスの学校の研究室は、ファンヌたち学生たちがいる研究室とエルランドの研究室は扉で仕切られていたが、エルランドはいつでも学生たちが相談しやすいようにとその扉を開けっ放しにしていた。それはマルクスからの助言でもあったようだ。お互いの研究室を行きやすくすることで、研究に煮詰まった時の相談が気軽にできるように、と。
 だが、それでも学生たちはなかなかエルランドの研究室に足を踏み入れようとはしなかった。研究者としては優秀なエルランドであるのだが、どうも一言二言多いようで、ファンヌ以外の学生はちょっとだけエルランドを苦手としていた。だが、研究者としてのエルランドに惹かれた者がその研究室への配属の希望を出すのだが。
 配属されてから彼らは気づくのだ。エルランドの人柄に。それでもエルランドの元で研究したいという学生がいたのは、ファンヌの力もあったのかもしれない。
「エルさん。ちょっと相談なんですけど」
 ファンヌは行き詰っていた。
「なんだ」
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