【コミカライズ決定】婚約者の浮気相手が子を授かったので
ファンヌがぶつぶつと言い出したため、エルランドは目を細めた。
「ところで、今日はどうしたんだ? 君は、その……。王太子殿下の婚約者だろう? 王宮の方に通わなければならないからと言って、学校を辞めたのではなかったのか?」
「あ、はい。そうです。殿下の婚約者を辞めたので、またこちらに通うことができないかと、先生にお願いしようと思って来ました」
ガタッと、エルランドが椅子から落ちそうになった。
「先生、どうかされましたか」
ファンヌが慌ててエルランドに駆け寄ると「なんでもない」と手を振り、眼鏡をくいっと押し上げる。
エルランドは二十代後半と聞いているのだが、どことなく行動が抜けているところがある。むしろ、飛び級で学校を卒業し若くして教授になっているのだから、もう少し威厳というものがあってもいいはずだと思っている。だが、それすら感じない。ファンヌから見たら、ちょっと手のかかる師というのがエルランドなのだ。
「まあ、とにかくそこに座れ」
エルランドが研究用に使っている大きな机の前に置かれているソファとテーブル。だがこのテーブルの上に、ゴミが散乱していることに先ほどからファンヌは気づいていた。
「先生……。先に、これ。片付けてもいいですか?」
「あ、ああ……。すまない。どうしても研究を優先させてしまうと、それ以外のことはどうでもよくなってしまうからな」
エルランドは昔からそのような傾向があった。ファンヌも似たようなところはあるが、ゴミだけはきちんと片付けていた。だから彼女がこの研究室にいたときは、このテーブルがゴミの山で埋もれることはなかったのだが。
「ところで、今日はどうしたんだ? 君は、その……。王太子殿下の婚約者だろう? 王宮の方に通わなければならないからと言って、学校を辞めたのではなかったのか?」
「あ、はい。そうです。殿下の婚約者を辞めたので、またこちらに通うことができないかと、先生にお願いしようと思って来ました」
ガタッと、エルランドが椅子から落ちそうになった。
「先生、どうかされましたか」
ファンヌが慌ててエルランドに駆け寄ると「なんでもない」と手を振り、眼鏡をくいっと押し上げる。
エルランドは二十代後半と聞いているのだが、どことなく行動が抜けているところがある。むしろ、飛び級で学校を卒業し若くして教授になっているのだから、もう少し威厳というものがあってもいいはずだと思っている。だが、それすら感じない。ファンヌから見たら、ちょっと手のかかる師というのがエルランドなのだ。
「まあ、とにかくそこに座れ」
エルランドが研究用に使っている大きな机の前に置かれているソファとテーブル。だがこのテーブルの上に、ゴミが散乱していることに先ほどからファンヌは気づいていた。
「先生……。先に、これ。片付けてもいいですか?」
「あ、ああ……。すまない。どうしても研究を優先させてしまうと、それ以外のことはどうでもよくなってしまうからな」
エルランドは昔からそのような傾向があった。ファンヌも似たようなところはあるが、ゴミだけはきちんと片付けていた。だから彼女がこの研究室にいたときは、このテーブルがゴミの山で埋もれることはなかったのだが。