【コミカライズ決定】婚約者の浮気相手が子を授かったので
◇◆◇◆

 ファンヌたちはオグレン領にある屋敷で二泊してから、馬車でパドマへと向かった。
 オグレン領にいる間、エルランドには薬草園や茶畑、そして工場を案内した。やはりエルランドは『調薬』の工場に興味を持ったようで、ヒルマにいろいろと尋ねていた。それが、ファンヌにはなぜか面白くなかった。
 夜の晩餐では、お酒の力もあったのか、エルランドもファンヌの家族と会話を楽しんでいたようだ。
『あら。エルさんって、オスモの教え子だったの?』
 ヒルマの口からオスモの名が出るとは思ってもいなかった。
『お母様。オスモ大先生のことをご存知なのですか?』
『ええ。昔ね。一緒に『調薬師』として研究をしていたから』
 その言葉で、なぜか難しそうな表情を浮かべたのはヘンリッキである。
『いやだ。あなたったら』
 うふふと、意味ありげにヒルマは笑っていた。
『オスモは元気?』
『はい。ベロテニアの王宮調薬師として働いています』
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