【コミカライズ決定】婚約者の浮気相手が子を授かったので
 そうやってエルランドと別々に過ごした昼食の時間であったが、ファンヌにとっては楽しいひと時でもあった。だが、それがエルランドには面白くなかったようだ。

 図書館の書庫に戻ってから、彼の不機嫌が手に取るようにわかった。
「ずいぶん、楽しそうだったな」
「そうですね、研究室のみんなとお会いするのは一年以上ぶりですから」
 エルランドが学校をやめてからは半年ほどしか経っていないが、ファンヌが学校をやめたのはクラウスとの婚約が決まってすぐだ。
「そうか」
 そう言ったエルランドの言葉に、彼が感情を抑えこんでいることにファンヌは気づいた。その感情。つまり、嫉妬だ。
 それについては王妃からも聞いていた。そしてその王妃も、国王のその感情をどう扱ったらよいか、ずいぶん悩んだということも。
「東の予算が増えたのは、マルクス先生がいろいろと頑張っていらっしゃるからみたいですよ。他の関係者と共同研究を始めたとか。そのような話を、マルクス先生から聞いていませんか?」
「いや、聞いてないな。珍しくオレの話を聞きたがっていたから、聞かれるままに答えていた」
「聞かれるままって……。私たちのことではないですよね」
「なっ……、ばっ……。研究のことだ」
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