【コミカライズ決定】婚約者の浮気相手が子を授かったので
 エルランドから手紙を受け取ったマルクスが、クラウスに情報を流していた。
 エルランドは論文調査という理由で学校へ行くと連絡していたが、そこに例の『薬』が存在していることは明らかであったし、エルランドが来るのであれば、間違いなくファンヌもやってくるだろうと思っていたようだ。
 マルクスはマルクスでエルランドに嫉妬を抱いていたのだ。飛び級で若くして教授になり、パドマにいたときから『調薬』の世界で頭角を見せたエルランド。いくら研究対象が異なるといっても、同じ『調薬』の世界。悔しくないはずはなかった。だから、クラウスの誘いにのったとのこと。
 研究費用も入るし、エルランドに一泡吹かせてやるチャンスだと思ったようだ。
 マルクスが日程を調整しつつ、研究発表の場を設けた。本来であればマルクスとクラウスのみの発表の場であったはずなのに、声をかけるとすぐさま希望する研究者が現れたのも嬉しい誤算であった。
 ただリヴァスにやって来たエルランドとファンヌが婚約していたことは、クラウスにとっても予想外のことであった。あの二人は研究によって関わっている間柄であると思っていたからだ。
 婚約の件をマルクスから聞いたクラウスは、国王に「ファンヌのことは諦めましょう」と報告をした。だが、彼女を諦めきれなかったのは国王であった。この国に金を落とすには、彼女の力が必要不可欠。そう思った国王は、ファンヌの今の婚約を駄目にすればいいと考えた。
< 260 / 269 >

この作品をシェア

pagetop