【完結】秘密の子育てがバレたら、愛で包囲されました。〜その子の父親は、俺だろ?〜
「なあ、由紀乃?」
「ん?」
「果琳の二歳の誕生日になったら、引っ越そうか。もっと大きい家に」
果琳の将来のことを考えてくれているのか、もっと広いお家に住みたいという果琳の望みを、剛久さんは叶えてくれるそうだ。
「果琳が喜ぶね」
「だろ?広いお家に住みたいって、さっき言ってたからな」
果琳がたまに読んでる絵本に、そんなことが書いてあったな。
確か広いお家に住む主人公が、素敵な王子様と出会って結婚する話だったはず。
「じゃあその願い、叶えてあげないと、パパ」
「そうだな。叶えてやろう」
果琳の夢は大きいお家に住むことだから、きっと喜ぶだろうな。大はしゃぎするだろう。
「果琳の二歳の誕生日を、剛久さんと一緒にお祝い出来るなんて、信じられないな。嬉しい」
「そうだな。果琳には寂しい思いをさせたから、果琳の欲しいものいっぱい買ってやらないとな」
そんな剛久さんに、私は「剛久さん、あんまり果琳を甘やかしちゃダメよ」と釘を刺す。
「可愛い時期なんだから、甘やかしたくなるんだよ」
「ほどほどに甘やかしてね」
「分かった。ほどほどにするよ」
こんな会話をしていると、ずっと一緒にいるみたいだなって感じる。