結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
家の中に閉じ込められ、世間を知らず、欲に染まらず、あどけない子どもの心のまま育った女性。

会話に駆け引きや打算などない。どんな物言いをしても、言葉の裏など探りにこない。

ただ真っ直ぐ、純真に、おしゃべりを楽しむだけ。

こちらも、相手の裏をかこうと思考を働かせる必要がなく、それがすごく楽だった。

他愛ない会話がこんなにも心地よく感じられるとは。彼女の返答ひとつひとつに安らぎすら覚えた。



深夜になってもまだあどけない質問を投げかけてくる彼女に、そろそろ叱ってやらなければと良心が疼いた。

この時間にこのシチュエーションで、一組の男女が密室にいれば、やることはひとつだ。俺でなければとっくに食べられていただろう。

しかし、彼女は案の定と言っていいのか、色仕掛けをしてくる素振りはないし、考えてもいないと見える。

「興味のない男にはきちんとノーを突きつけてやらないと、勘違いされてしまうよ」

こういう場合はどうすべきか、わかるようにきちんと警告したつもりだったのだが。

「興味はあります。あなたが好きですから」

そういうことじゃないんだが、と苦笑した。

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