結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
身の内に引き込まれるかのように彼女から目が離せなくなり、あとは本能に従った。

なんの先入観もない彼女に一から仕込むのは、控えめに言って――たまらない。

ベッドの中でも彼女は、俺の思い通りに転がってくれた。それを嫌とも言わない。見返りも求めない。

ただ俺のことが好きだと純粋な気持ちだけを注いでくれる。

――かわいい。これは……手放せない。

知らず知らずのうちに、落とされていた。

もしもこれが彼女の策略だとするなら、完敗だ。



一日、一日と過ぎるごとに、俺は彼女にのめり込んでいった。

その名の通り菫花のように可憐で、純真で、あどけない彼女。

世の女性たちと同じ生き物とは思えないほど神聖に感じられた。

これまで、それなりに女性と関わりを持って生きてきたつもりだったが、彼女のような人は初めてだ。

祖父の命令でたびたび縁談にも応じてきたが、どの女性もあざとく、自身の見栄や欲を満たすことで頭がいっぱい。わかりやすく俺に媚びてくる。

俺はいつしか結婚に対して、いや、女性に対して嫌悪感を抱くようになっていた。

――それなのに、不思議なことだな。

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