結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
「理仁さん。三原さんのお話を最後まで聞いて差し上げてはどうでしょう」

「菫花……!?」

突然三原さんを庇いだした私を、理仁さんは驚いたように見つめる。

三原さん自身、私を不審な目で見て「なんなの?」と苛立った声をあげた。

「大事なお話があってここまで来たのではないかと思うんです」

このまま強引に話を切り上げたところで、三原さんの気持ちは晴れない。鬱屈は双方に残り続けるだろう。

契約とか遺産とか誰が相応しいかとか、小難しいことを話し合う前にまず――。

「三原さんのお気持ちをまだうかがっていないな、と」

ぽつりと漏らした言葉に、ふたりはハッとしたように私を見た。

「三原さんは結婚を命じられて、嫌ではありませんでしたか?」

三原さんの口からは、「そうすべき」とか「しなければならない」とか、義務を感じさせるものばかり出てくる。

彼女自身、理仁さんを愛していないなら、こんなにも結婚を望むのは誰のため?

「理仁さんとの婚姻を進めようとするのは、前当主とのお約束を守るため? それともご実家のため?」

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