結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています


杏花が眠りについたあと。理仁さんは冷蔵庫から一本のシャンパンを取り出した。

「夫婦で晩酌なんてどうだ?」

「私、お酒なんて久しぶりです」

よくよく振り返れば、お酒を飲んだのはあの豪華客船が最後だ。

久しぶりのアルコールに気分が高揚する。羽目を外しすぎて深酔いしないように気をつけなければ。

理仁さんが冷蔵庫からフルーツとチーズを持ってくる。「菫花は座っていて」と指示され、私は準備が終わるのをソファでそわそわしながら待った。

自分は座ったままで、他人にやってもらうのを待つというのも久しぶりだ。

杏花とふたりきりの頃は、腰を落ち着ける暇がないほど常に忙しなく動き回っていたから。

「甘めのシャンパンを選んだから、きっとリハビリにちょうどいい」

「ありがとうございます」

理仁さんは私の隣に座り、細長いシャンパングラスに淡い金色の液体を注ぎ込んだ。お互いにグラスを持ち上げ、「乾杯」と声をかけあう。

口をつけると、フルーティーな香りのあとに渋みがきて、甘酸っぱさとしゅわしゅわした爽快感が突き抜けた。

きっといいシャンパンを用意してくれたのだろう。ついたくさん飲んでしまいそうだ。

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