結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
シャンパンの香りだけじゃない、まるで私を惑わす媚薬だ。

「じゃあ、初めて出会った日の夜をやり直そうか。なにをしたか覚えている?」

理仁さんが私の手からシャンパングラスを受け取り、ローテーブルに置いた。

そのまま空いた手をソファの背もたれに押しつけ、ゆっくりと唇を奪う。

久しぶりに交わす情熱。目を閉じるとあの日の彼が蘇ってきて、懐かしいような昂るような、ぞくぞくとした高揚が押し寄せてきた。

「こうして、君のキスを試食した」

そう言って、あの日のように私の唇の中に舌を挿し入れる。

七泊八日、海の上の客室でとにかくたくさん体を交わらせたことが懐かしい。キスも少しはうまくなっていると思うのだけれど。

「ん……上達、しました?」

「……他の男と遊んでいないことだけはわかった」

理仁さんは唇の愛撫を終えると、耳もとに顔を近づけ、耳朶にひたりと舌を押し当てた。独特のぬるさに思わずびくんと痙攣する。

「あ、の、理仁さん……」

「こうしてひとつひとつ、気持ちのいい場所を君に教えた。君は頑なにここがいいと認めてくれなかったけれど」

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