結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
「逆に、君にとって俺は『お父さん』なのか?」

そう尋ねながら、彼はシャツのボタンを外す。

胸もとから覗いたのは艶めいた肌。細いのにがっしりとして逞しい、まるで西洋の絵画に描かれるような筋肉だ。

彼がシャツを脱いだ瞬間、私の体の中がずくんと疼いた。

「……あなたは、いつでも魅力的です。逞しくて……その」

たどたどしい説明に、彼は口もとを不敵に緩ませる。

私の服の上から体に触れ、線を辿るように指先を這わせた。顔を近づけ、服に鼻先を埋める。

どうして直接触れてくれないのだろう。まるで焦らされているようで苦しい。

私と彼の間を阻む薄い布が、こんなに憎らしく感じるなんて。

「あなたは、私を愛してくれる――愛し方を教えてくれた……だから……その、もっと」

「素直に、抱いてくれと言ったらどうだ?」

ようやく服の下に手を差し入れ、素肌に触れてくれる。途端に官能が花開いて、唇から熱い吐息が漏れた。

シャツのボタンをひとつ外されるたびに、大胆になっていく。

呼吸を荒くして理仁さんの背に手を回すと、彼は喜びに満ちた声で「ようやく菫花らしくなってきた」と私の胸もとに顔を埋めた。

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