結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
雑誌は以前掲載させてもらった『グリーンページ』から連載のオファーを受けた。それを見た別の雑誌からも取材依頼が来るという好循環。

好きなことに時間を使い、さらには評価も得られ、家族においしいご飯も食べさせてあげられる、そんな幸せいっぱいの生活を送っている。



「もう十時か。そろそろ出かける用意をしよう」

洗濯物と洗い物が終わったところで、理仁さんが切り出した。

今日、どこへ行くのかは聞いていない。ただ、なにか用事があるらしく「少し付き合ってほしい」とだけ言われている。

「いったいどこへ行くんです?」

「着いてからのお楽しみってことにしておいてくれ」

理仁さんは唇に人さし指をあて、綺麗な笑みを作る。

私は首を傾げながらも、いつも通り軽いメイクを済ませ、外出準備を整えた。

三人で車に乗り込み向かった先は、都内にある洋館を模した建物。

一見するとレストランのようにも見えるが、ショーウインドウにウエディングドレスが飾られていることに気づき、ハッとした。

「もしかして、ウエディングサロンですか?」

ということは、理仁さんは結婚式を計画しているの?

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