結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
彼は表情豊かとは言いがたいけれど、それでも澄ました顔から感情が見え隠れする。

そのわずかな変化を見逃さないように、暗闇の中、目を凝らす。

「あなたは私のことをどう思っていましたか? ただの興味でした?」

さりげない質問を装ってみるのだけれど、必死さが伝わってしまいそう。

彼が口もとを緩める。

「……菫花がとても魅力的だと思った。それから、君を奪ってしまいたくなった」

「奪う? なにからですか?」

「世界中のあらゆるものから。奪って、閉じ込めて、俺だけのものにしたくなった。君はとっても綺麗だから、誰かの色に染まってほしくない。透明なままでいてほしい」

抽象的な返答に私は考えを巡らせた。必死に答えを探すけれど感覚がよく掴めない。すると、彼が私の頬に手を伸ばした。

「だが、それは俺のエゴであって、君のことを真剣に思うならするべきじゃない。菫花はこれから社会に出て、いろいろ見て学びたいんだよね?」

こくりと頷くと、彼は表情を曇らせた。

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