結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
「俺たちは何度か、避妊もしないで体を重ねた。それは君が言う通り、軽率なことだったと思ってる」

「それは……一応、大丈夫かと……危険日じゃないとわかっていたので――」

「そういう問題じゃないんだ」

慰めるように彼が私の額にキスをする。それは優しいのにすごく冷静で、なんだか悲しいキスだった。

「責任も取れないのに、軽率なことをすべきじゃない」

「じゃあ――」

あなたはふたりの過去を否定する? 愛を交わさなければよかったと思っているの?

そう問いかけようとしたとき。

「だから、将来の約束をしよう」

私の言葉を遮るように、彼が口を開いた。

周囲は暗いながらも、彼の目は光を取り込みわずかに輝いていて、未来への希望を宿しているように感じさせる。

「この場で俺たちは婚約する。そうすれば、船を降りたあとも俺たちは離れなくて済むと思うんだけれど……どうかな?」

驚きに息を止める。家族の了承もなしに婚約など許されるのだろうか。

もちろん彼と結婚できるのなら、私は嬉しいし、両親も喜んでくれると思う。でも――。

「あなたのご家族は認めてくださいますか?」

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