結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
だが、いつまでも悲観してはいられない。犯した過ちを後悔するだけでなく、責任の取り方を考えなければ。

私が泣いてばかりでは、幸せになれるものもなれないだろう。

「私がしっかりしなくちゃ。私以外、他の誰も杏花を幸せにしてあげられないんだから」

一生分の涙を流しつくした私は、その日から常に笑顔でいるよう心がけた。

この子を幸せにすることが、最大限の償いだと思ったのだ。

すると、事態が好転し始めた。

まず、杏花の泣く時間が減った。よくぐずる杏花だったが、私の笑顔を見ると、安らいだ表情で眠ってくれるようになった。

そして、杏花を保育園に預けてすぐにパートが見つかった。

家の近所にあるハワイアンカフェ。半年前にオープンしたばかりで、オーナーは私より十歳年上の三十四歳。趣味はサーフィンで、小麦色の肌をした気のいい男性だ。

前のアルバイトは不愛想で接客態度も悪く、三カ月で辞めてしまったのだそう。

私の笑顔を気に入って、君ならと採用してくれた。

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