結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
「こえも」

加えて、星形フレームの眼鏡も理仁さんに勧める。

「なんでパパだけ多いんだ……?」

理仁さんは観念したのか、カチューシャと眼鏡を試着する。

うさ耳まではかわいらしくてよかったのだが、星眼鏡は完全にへんてこな仮装だ。

「あはははは!」

私は思わず声をあげて笑ってしまった。せっかくのイケメンがあまりにも台無しだったものだから。

私に合わせて、杏花まできゃははははと笑い崩れる。

「ふたりして、そこまで笑う?」

「そこの鏡を見ればわかります!」

グッズワゴンに備え付けられている鏡を見て、理仁さんも「これは……」と苦笑する。

「杏花。うさぎさんだけで勘弁してくれ。このままじゃふたりのお腹がよじれてしまう」

そう断って、三人分のヘッドアクセサリーの代金をスタッフに支払った。

「あはは……まだおかしいです。はは……お腹が痛い」

歩き出したあとも笑いが収まらない私を見て、理仁さんはふんわりと頬を緩めた。

「ちょっと不本意だったけど、菫花がようやく笑ってくれた」

「え?」

不思議に思い、目を丸くする。私はずっと笑っていたと思うけれど? 

「作りものの笑顔だっただろ」

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