結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
以前、イチゴのアイスを食べさせたら、嫌いと言われたことがあった。確実に杏花が食べられるバニラを頼もうとすると――。
「ももか、きーろ」
杏花が指さしたのはバナナ味のソフトクリーム。しかも、粒状のチョコレートが入っている。
「これ、チョコバナナ味よ? 食べられる?」
「うん!」
自信満々に言うけれど、ちょっぴり怪しい。好き嫌いの多い杏花は、いつもとは違うものを食べると、しれっと「きらい」と言って私によこすのだ。
「いつも食べてる白いソフトクリームの方がいいんじゃない?」
「ももか、ちょろばなな」
困っていると、理仁さんが「菫花はなにが食べたいんだ?」と尋ねてきた。
「私は杏花と半分こするから」
「杏花が残したら俺が食べるよ。菫花が主役なんだから、好きなものを選んで」
困惑しながらも、私はメニュー表に目を通す。先ほど理仁さんから『楽しんでいい』と言われたばかりなのに、遠慮をしていたらそれはそれで失礼かもしれない。
「……私は、クラシックショコラがいい」
オーケー、と言って理仁さんはスタッフに声をかける。