結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
クラシックショコラとチョコバナナとバニラ――と三つ注文したところで、私は「えっ」と声をあげた。

「そんなにたくさん――」

「俺が1.5食べる」

いざチョコバナナが食べられなくても、バニラも選べるように三つ注文してくれたのだろう。

私はコーンに載ったソフトクリームを受け取り、濃厚なチョコレート色をぼんやりと見つめる。

ソフトクリームを食べるときは、いつも杏花と半分こ。丸々ひとつ食べるなんて久しぶり。

杏花もチョコバナナを丸ごと一個もらって大喜びではしゃいでいる。

理仁さんがバニラを持ちながら、「あそこのベンチで食べよう。落とさないようにな」と杏花の手を引いた。

「いただきますのご挨拶は?」

「いたらきましゅ」

三人並んでベンチに座り、それぞれの手の中にあるソフトクリームを食べる。

杏花は大きくお口を開けてチョコバナナのソフトクリームを頬張った。

「おいしい?」

「おいちー!」

結局杏花は、チョコバナナも食べられるけれど、シンプルなバニラソフトも恋しくなったようで、理仁さんに一口ねだっていた。

そして私はというと――。

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