結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
「……チョコレートのソフトクリームって、こんなにおいしかったのね」

カカオの苦みと甘みが舌で蕩けて心地いい。久しぶりに贅沢をした気分だ。

「俺にも」

そう言って理仁さんが顔を近づけてくる。形のいい唇が開いて、予期せずドキリとしてしまった。

「…………どうぞ」

どぎまぎしながら彼の口もとにクラシックショコラを持っていく。私より大きな口がショコラにばくんとかぶりついた。

杏花は「めっ。ママのとっとくいーむよ!」と叱るが、理仁さんは「杏花もパパのを一口食べただろう?」と反論。

「杏花はママにあげないのか?」

尋ねられた杏花は、ちょっと渋りながらも「あげゆ」とチョコバナナを差し出した。

「ありがとう、杏花」

杏花に丸々ひとつソフトクリームを食べさせたらお腹を壊してしまう。私は杏花の分を減らすためにも、ちょっと大きめにいただくことにする。

「パパも、どーじょ」

「ありがとう、杏花」

理仁さんがさらに大きな口でばくり。杏花にはちょうどいい量になった。

しかし、ソフトクリームを食べ終わってそう経たないうちに、早くも杏花は「おなかへった」と言い出す。

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