結ばれてはいけない御曹司に一途な想いを貫かれ、秘密のベビーごと溺愛されています
自宅に向かって車を走らせている途中、杏花は一度目を覚まし、窓から見える景色にひとしきり興奮したあと、再び眠りについた。今もまだ夢の中だ。
チャイルドシートから降ろし家に運び込んだものの、熟睡したまま。
夜、寝つかなくなりそうで少し怖い。とはいえ、疲れた杏花を無理やり起こして体調を崩されでもしたら大変なので、そのまま眠らせておくことにした。
「今日は本当にありがとうございました」
私はあらためて理仁さんにお礼をする。
「疲れただろう。杏花の横で少し休んでいるといい」
理仁さんは私に横になるよう勧めると、自分はバッグからお弁当箱を取り出してシンクに水を溜め始めた。
「理仁さん……!?」
「菫花が早起きして作ってくれたんだ。洗い物くらいは俺がするよ」
「そんな、大丈夫です、私が――」
「じゃあ、そこに座って俺の話を聞いていて」
腕時計を外し問答無用で洗い始める姿を見て、止めるのをあきらめた。私は仕方なく畳にぺしゃっと座り込む。