私だけを濡らす雨/ハードバージョン
予見あり





ツグミ~、正体見たりだわ(ニヤケ笑いの故姉より)



”私だけを濡らし続けた冷たい雨”とやらは、もう止んだよ

へへ…、やっぱり、お姉ちゃんが降らしていたんだし…!

私を一人ぼっちにしてた雨…

やっと、長い間の願いがかなった

これで私の凍えた心は温まる

みんなとフツーの中学生活ができるんだ~


***


あの後、私の周りにはいっぱい人が集まってきた

何十年もご無沙汰の遠い親類から、里親を受け入れたいと申し出てくるたくさんの見ず知らずの他人…

そして友人の家族…

みんな、私のお姉ちゃんが残したお金が目当てだ

私のことなんか、愛してくれはしない

せっかく冷たい雨が止んで自由になれたんだ

そんな世俗の欲にまみれた人たちなんかに、自由を奪われたくないないよ


***


最初から決めててことだけど、私は社会に出て自立できるまで、桜木兄弟と暮らしてもらうことにした

ウフフ~~❣

近所だけでけでなく、ニュースで知れ渡った私達は、世間から好奇の目に晒されている中、お兄さんもケンも私を不憫に思ってくれ、郡家と桜木家を往復しての3人による新たな生活が始まって、約1年が過ぎたわ


***


「…ケンには今日から大阪出張だって言ってあるんだ。…なんか、心が痛むな。嘘ついて、ツグミとこうしてるなんて…。アイツも君を好きになってるようだし…」

正樹さんは明日から3日間、関西方面に出張なの

今夜、私達は郡家の私の部屋で抱き合っている…

”そんなに自分を責めないで、オジさん。だって、私辛くなるもん。私のカラダが往復してるのは、桜木家と郡家だけじゃないのよ。ごめんなさいね、でも愛してるのよ、ケンとは段違いなあなたのエッチも(ニヤリ)”

中学生生活の大半を引きこもりという身に置きやっていた郡ツグミは、充実した最強のココロを手に入れていた

”そうなんだよね、私に降りかかる不都合と不幸は、私だけを濡らす雨なんだよ。要は、ふらせりゃいいんだ、いざって時は。フフフフ…”



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